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たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

JAZZ非常階段 2012年9月23日

一日経った今でも、若干耳鳴りが。

 

JAZZ非常階段 2012年9月23日@新宿PIT INN

JOJO広重(Gt)、T.美川、コサカイフミオ(Electronics)、JUNKO(Vo)、岡野太(Ds)、坂田明(As,Cl etc.)、豊住芳三郎(Ds,二胡)、勝井祐二(Vl)

 

第1部:JOJO広重、JUNKO、岡野太、勝井祐二

爆裂ドラム、ノイズギター、金切り声と勝井さんの幻想的なバイオリン。何とも不思議な空気感。JOJO広重さんのギターを生で見るのは初めてだったのですが、期待以上にカッコイイ。しかもこれがストレートなカッコよさなのです。失礼ながら、昔非常階段の音源を聴いた時には特に印象に残ってなかったのですが、素晴らしいですね。このパートをリードしていたのは間違いなくJOJO広重さんだと思います。その中でも、勝井さんのバイオリン(エフェクター)の宇宙っぽい音が効果的に響いていました。

 

第2部:T.美川、コサカイフミオ、坂田明、豊住芳三郎

高校生の頃、兄に連れて行かれたライブハウスで見たIncapacitants(T.美川、コサカイフミオのユニット)は衝撃的でした。他のノイズ系のバンドはめちゃくちゃをやっているようにしか見えなかったのに、Incapacitantsの演奏は破壊的でありながら「音楽的」と感じる瞬間がたくさんあって、独特なグルーヴ感と爆音が最高に気持ち良かったのです。ジャズにハマってからノイズは聴かなくなっていたのですが、ジャズファンになった今の私にとってのアイドルである坂田さん、豊住さんと、かつて好きだったIncapacitantsの共演。めちゃくちゃ期待が高まりました。

・・・が、正直ここの演奏はそんなにピンときませんでした。豊住さんはドラムではなく終始二胡を演奏。周りの音がデカすぎてほとんど聞こえない(笑)後半ボリュームを上げるまでは、何やってるかよくわかりませんでしたね。Incapacitantsの2人は断続的にノイズを出してるのですが、これがグッとくる瞬間とそうでない瞬間があり、ぶっちゃけ退屈なところも。坂田さんはいつものクラリネット&アルト。高速でありつつ、実はきっちりフレーズを吹く坂田さんのアルト、これはやっぱり大好きです。全体としては、何というか、爆撃を受けている町の中で坂田さんが一人サックスを吹いているイメージ。大林宣彦の映画「この空の花~長岡花火物語」の1シーンを思い出しました(坂田さん出演。焼夷弾の雨の中でサックスを吹く、劇中劇のようなシーンがあります)。後半は全体的にテンションがあがっていって、客席も盛り上がっていったのですが、不完全燃焼といった感じ。

 

第3部:全員登場。

初っ端、JOJO広重さんの「よっしゃ、行くぜ!」的な掛け声から全員フルスロットル。大爆発。音がデカすぎて、ドラムのシンバル以外は誰がどの音を出してるのか、ほとんど聞き取れず(笑)爆音にクラクラしつつ、どんどんテンションはあがっていきました。JOJO広重さんが各演奏者の間を行ったり来たりしながら煽っていきます。ギターを高く掲げたり、壁の「PIT INN」の文字にギターを押し付けたり。客席のボルテージもぐんぐんあがっていく。坂田さんはサックスだけでなく例の絶叫も披露。これがほんとに最高。いつもより多めにわめき散らしていました(笑)生きてて良かった。ジャズファンで良かった。坂田さんのファンで良かった。ああ、思い出してもたまらない。

そして、コサカイさん。ライブでの暴れっぷりは過去に何度か見ていますが、この日もやっぱり暴れてました。演奏終盤、エフェクター類の乗ったテーブルを床にひっくり返し、ヴォコーダー?みたいなものを直接アンプに挿し、アンプを担いで客席に乱入。私は前から二列目に座っていたのですが、耳元にこのアンプを押し当てられました(笑)その後、客席後ろ、スタンディングのスペースでダイブしようとしてたみいたいですが、たぶん失敗。同じくらいのタイミングでJOJO広重さんも客席前方に倒れ込んできました。周辺にいたお客さんと一緒にギターを触って、ある意味私も演奏に参加。やっぱりこういうプロレス的な盛り上がりはノイズの面白いところですね。

 

トータル、めちゃくちゃ楽しかったです。お客さんの熱狂具合は、今までピットインで見た中でも最高クラスでしたね。

ただ、4月のJAZZ非常階段としての最初のライブ以降、「ジャズの殿堂ピットインでノイズをやる」ということ自体の事件性を言う声をいくつか見聞きしていたのですが、そのあたりはそれほど感じず。ピットインはフリージャズもやりますし、大音量の演奏という意味では、渋さ知らズが定期的に出ているので、それほど意外性は感じませんでしたね。体感的な音の「厚さ」という点では、むしろ渋さの方がまさっているとさえ思いました。

そして、やっぱり自分はジャズが好きだと感じました。ノイズからは破壊的なイメージ以外を受け取りにくいのですが、ジャズには悲しみ、ブルース感覚、泥臭さ、熱気、美しさ、人間臭さ、色々入ってると思います。『聴いたら危険!ジャズ入門』という本で、「キレイな物は好き。キタナイ物も嫌いではない」という篠田昌巳の言葉が紹介されていましたが、そういうところがジャズの面白さだと思っていて、個人的に好きなポイントなのです。音楽をジャンル分けすること自体がナンセンスだとも思いますが、いわゆる「ノイズ」的な音楽を日常的に聴こうという気にはならないということです。良し悪しではなく、私個人の趣味嗜好の問題として。

 

まあ、それでも年に数回くらいはノイズも見たいかな(笑)

 

made in Japan〜live at Shinjuku Pit Inn 9 April, 2012

made in Japan〜live at Shinjuku Pit Inn 9 April, 2012