たぶん思ったことあんまりまちがってない

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心の傷によく効くジャズ

昨夜10時ごろ、指導教員に修士論文の第1稿を提出しました。論文としての完成度を十分高められないまま締切を迎え、仕方なく提出したのですが、翌朝起きると指導教員からメールが来てまして、予想通り「論文としての基本的な体裁すら整っていない」と厳しい言葉がずらずらと並んでいました。久々に凹みました。最終締め切りは1月7日。締切までに本当に完成させられるのかという不安に捕われるわ、自分の不甲斐なさに自己嫌悪に陥るわ、どこから修正したらいいか分からないわで大混乱。

そんな中、必要な資料を印刷するために大学に行ったところ、たまたま研究室の先輩とばったり会いまして、色々アドバイスをもらいました。「一度自分の書いているものと距離を取って、ロジックを組み直しては」と言われ、だいぶ励まされて帰宅。また明日から頑張っていく勇気が出ましたが、不安が完全に解消されたわけではないという現状です。

 

こんな精神状態だと、いつも聴いてるジャズもなかなか心に入ってこないんですね。ipodに入っている音源から適当に聴いてみたんですが、普段愛聴しているものであっても、心にずっしり来すぎたり、軽すぎたり。そんな中で一番しっくりきたのが、「Mazuruの夢」の林栄一さんのソロでした。

 

MAZURUの夢 Mazuru's Dream

MAZURUの夢 Mazuru's Dream

 

理屈は分かりませんが、すさんだ心にすっと入ってきました。いわゆる「癒し系」ではないけれど、こんな状態の自分の胸にも響く本物の音楽がここにあると思いました。

 

そして思い出したのが、自分にとって特別な存在であるエリック・ドルフィーでした。


ERIC DOLPHY & BOOKER LITTLE, The Prophet (Dolphy) (Part I)

以前にも書きましたが、自分が一番最初に衝撃を受けたジャズがこのドルフィーの「ファイブスポット」でした。その中でもこの曲のドルフィーのソロは、いつでも自分を異次元に連れて行ってくれます。ドルフィーは特別すぎて、普段からしょっちゅう聴いているわけではないのですが、こういう時に聴くと本当に胸に突き刺さります。

 

締切が迫る中、いまさら自分の無能力さを嘆き、怠惰を後悔しても意味がないことは分かっています。しかし、私は分かっていても不安を覚えてしまう弱い人間なのです。そんな私にハッパをかけるでもなく、慰めるでもなく、ただそこにいて異次元の音楽を奏で続けるドルフィーのソロは、私にとって心の傷に一番効くジャズなのかもしれません。