藤井郷子オケ@ピットイン
心安らぐ、癒し系ジャズ。
2013年2月27日 藤井郷子オーケストラ@新宿ピットイン
早坂紗知,泉 邦宏(As)松本健一(Ts)吉田隆一(Bs, Fl)田村夏樹,福本佳仁,渡辺隆雄,城谷雄策(Tp)はぐれ雲永松,高橋保行,古池寿浩(Tb)永田利樹(B)堀越 彰(Ds)
<1st>
・城谷(Tp)、早坂(As)、古池(Tb)
・はぐれ雲(Tb)、堀越(Ds)、松本(Ts)
・泉(As)、渡辺(Tp)、福本(Tp)
・吉田(Bs, Fl)、永田(B)
・田村(Tp)、高橋(Tb)
<2nd>
・タイトル不詳(藤井郷子)
・タイトル不詳(田村夏樹)
「藤井郷子オーケストラ」なのですが、藤井さんがインフルエンザでお休みということで、1stセットはインプロセッション、2ndセットは田村さんコンダクションで2曲という構成でした。
1stセットの組み合わせは藤井さんが決めたとのこと。田村さんMCで1組ずつ演奏していったのですが、「次はどんな組み合わせかな?」というドキドキ感も含めてとっても楽しかった。時間は各10分。くせ者揃いのメンバーが色んな化学反応を起こしていく様を堪能しました。特にトランペットとトロンボーンはそれぞれの個性の違いがはっきりと浮かび上がって面白い。皆さん素晴らしかったのですが、特に印象に残ったのは松本さんのテナー。あの音は唯一無二でしょう。最高。「みんなが積み上げてきたものを台無しにします」という田村さんの言葉で始まった最後の田村・高橋デュオも、コミカルでありつつ「歌」にグッとくる、素晴らしいセッションでした。
2ndは、藤井さんの大曲(45分強)と田村さんの曲。どちらも新曲とのこと。藤井さんの曲は、普段はソロイストが2人ずつフィーチャーされるのが特徴だと思うのですが、全員でソロを回していました。藤井さんらしい、複雑な構成でかっこいいテーマの曲。泉さんのソロがすんばらしかった。心の中で「うひゃー!!!」と何度も叫んでしまいました。
続く田村さんの曲は、謎のボイスを織り交ぜたヘンな曲(もちろん褒め言葉)。どんな曲か言葉で説明するのが非常に難しいのですが、吉田隆一さんはTwitterで「筒井康隆的なSF曲」とおっしゃっていて、これは言い得て妙だと思いました。いっぱい笑ったし、心が解放された気がします。これだけのプレーヤーを揃えて半分以上が楽器を演奏しないって何と大胆な・・・(笑)
普段ジャズをまったく聞かない研究室の同期(高校時代にユーフォを吹いていて、今もDTMやってたりするらしいので、音楽好きではある)を連れて行ったのですが、彼も楽しんでいたようで、感想を聞いたら「全員音がめちゃくちゃ良い!」とか言ってました。吉田さんのバリトンソロにも圧倒された様子。
楽しみにしていた田村さんのトランペットをちょっとしか聴けなかったのが残念でしたが、心癒される楽しいライブでした。メンバー紹介などのゆる~い雰囲気もGood。毒にも薬にもならないBGM的ジャズではなく、私にとってはこういうのが真の「癒し系」だと再確認したのでした。
- アーティスト: 田村夏樹
- 出版社/メーカー: P-JAZZ
- 発売日: 2004/02/18
- メディア: CD
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田村さんのボイスとトランペットによるソロ。これは珍盤かつ傑作です。