藤川義明&イースタシアオーケストラ『照葉樹林』
ようやく聴くことができました。
- アーティスト: 藤川義明&イースタシア・オーケストラ
- 出版社/メーカー: SUPER FUJI DISCS
- 発売日: 2013/03/06
- メディア: CD
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かねてから各所で名盤だとの評判を聞いていたのですが、CD化されていなかったので長らく聴くことができていませんでした。3月6日についにCD版が発売され、博士課程の入試を乗り越えた自分へのご褒美(苦笑)として購入。「スペシャルエディション」とのことで、CD2枚組のうち、オリジナルの録音は1枚目の前半のみで、7曲の発掘音源が収録されています。
ぐちゃぐちゃフリー、カオスな部分もありつつ、ばっちりキメるところはキメていて、なるほど、確かにこれはすごいですね。恐ろしく豪華なメンツ(メンバーの多くが現役でライブ活動を続けているということも恐ろしい)によるソロの応酬やボイスパフォーマンスも楽しい。
藤川さんの作曲も耳に残ります。「イースタシアオーケストラ」ということで、東アジアが一つのテーマなのだと思うのですが、聴いていて想起したのはエリントンの「ジャングルサウンド」。エリントン楽団が実在しない「ジャングル」のサウンドを奏でていたように(エリントンに『アフロボッサ』というアルバムがあって、アフロでもボッサでも全然ないというのは菊地成孔さんの持ちネタです)、実在しない「イースタシア=東アジア」の音楽を聴いているという印象で、不思議なエキゾチズムを感じたり。
CD化に際して追加された音源に関しては、面白いところも随所にたくさんあるのですが、ややダレるというか、緊張感(テンション)を維持できていないところもあるように思います。オリジナルの音源は、やはり選ばれるべくして選ばれたのだなという感じ。
トータル、非常に面白かったです。日本でもこういう大き目の編成のフリージャズオーケストラをたくさん見られたらうれしいのになあというのが第一の感想ですね。私は渋さ知らズや藤井郷子オーケストラくらいしか知りませんが、恒常的に活動しているオケって他にもあるのでしょうか。経済面とかスケジュール調整とかもろもろ厳しいというのは想像に難くありませんが・・・。