たぶん思ったことあんまりまちがってない

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Long Story Shortを聴く(Disc1&2)

しばらく書きあぐねていたのですが、ブロッツマンの5枚組ボックスの感想を簡単に書いておこうかと。

 

Long Story Short

Long Story Short

2011年11月3~6日、ブロッツマンがキュレーターを務めたオーストリアのフェスの録音です。テンテットやHairy Bonesと言ったブロッツマンのバンドはもちろん、ビル・ラズウェルや先ごろ亡くなったジョン・チカイなどの大物も参加。

 

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こんな感じで5枚のCDがボックスに収められています。収録されたすべての演奏について詳細なレビューを書くのは大変なので、それぞれ一言だけ感想をメモしておきたいと思います。

 

とりあえず一枚目。

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・ 1曲目はSonore。冒頭一音目からやられました。ぶっとく、歪んだ音。絡み合う音の塊。掴みはバッチリと言ったところでしょうか。

 ・続いてChicago Tentet+John Tchicai。轟音。笑えてくるほどカッコイイ。中盤、トランペットとチェロの響きに胸を打たれました。ケッスラーの仕事っぷりも素晴らしい。「死ぬまでに一度生で観たかった」という思いが強まりました。

 ・筝、チェロ、中国琴による弦楽三重奏(?)。恥ずかしながらシュー・フェンシャのことは知らず。検索してみると、中国人の琴、二胡奏者で、晩年のペーター・コヴァルトと活動を共にしていたりするらしく。オッキュン・リーは最近即興界隈で大活躍の人ですね。後半の謎ボイス含め、なかなかかっこいい。

・ブロッツマン、森山威男、佐藤允彦のトリオ(Heavy weights)。個人的にはこの演奏が5枚通してのベスト。佐藤允彦さんのピアノの存在感が凄まじい。もちろんブロッツマン、森山両名も一歩も退かず。なんとストレートで、なんとかっこいいトリオでしょうか。「うわー、これはYatagarasu買わねば・・・」と思って検索するも、amazonではmp3ダウンロードしか取り扱いがなく、HMVは「入手困難」、ユニオンも「在庫なし」でがっくり。

 

続いて2枚目。

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・1曲目は、マクフィーらのカルテット。名前がまったく読めないモロッコ人奏者の民族楽器がカッコイイ(ゲンブリというグナワの楽器らしいです)。しつこいくらいの繰り返しが生むグルーブ感。マクフィーの音はやはり良い。先日の来日時に生で聴いたテナーのふか~い音は今も忘れられません。

・八木、本田、ブロッツマンのトリオ。アコースティックなノイズギターとでも言うような八木さんの筝。時々ベースの役割も担っていたりして面白い。中盤の哀愁漂うメロディも胸に沁みます。なんなんでしょう、この演歌感。

・ヴィブラフォン入りのトリオ。ちょっとだけジョーヘンの「モード・フォー・ジョー」のボビー・ハッチャーソンを連想したり。フリージャズにありがちな、不穏な空気感を演出するヴァイブというよりは、さわやかで涼しげなイメージ。ブロッツマンは相変わらず吼えまくってます(笑)。

・エレクトロニクス系のセッション。うーん、これは正直よく分からない。ライブで、爆音で聴いたら面白いかなとは思うのですが・・・。

 

長くなるのでひとまずこんなところで。残り3枚の感想も記録していくつもりでいます。