Long Story Shortを聴く(Disc3~5)
「最低3回は聴いてから」と思っているうちに、大学院の卒業式やら何やらあって更新が遅れてしまいましたが、一言感想メモの続きを。
- アーティスト: Peter Brotzmann
- 出版社/メーカー: Trost
- 発売日: 2013/02/19
- メディア: CD
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・まずは灰野さんのソロ。前半のボイスを重ねていく部分は神秘的な雰囲気もあってカッコイイのだけれども、ギターが入るあたりから私には分からない世界へ。「何かすごいことをしている」とは感じるのですが、興味が持続しません。高校生の頃はロストアラーフをMDウォークマンで聴いていたりしたのですが・・・。
・続いて、ビル・ラズウェル参加の50分超にわたるセッション。リズムセクションがとにかく強力。ハミッド・ドレイク最高です。ビル・ラズウェルもさすが。2枚目にも参加していたモロッコ人奏者(読めない)も活躍しています。心地よいグルーヴに身を任せているうちに、ゆるやかに大きく展開していく。とっても楽しい。
・1曲目から、これまた強者揃いのセッション。マーズ・ウィリアムスのアルト絶叫のカッコイイこと!マクフィー、ジェブ・ビショップもすんばらしい。
・Hairy Bones。超カッコイイ。超カッコイイ。超カッコイイ。思わず3回言いたくなるほどカッコイイです。ハードコアとかメタルが好きな人にも刺さるんじゃないでしょうか。
・佐藤允彦さんのソロピアノ。理知的で、クールで、アグレッシブで。紡ぎ出される一音一音が「これしかない」という確信に満ちているように聞こえます。
・テンテットの福島に捧げる演奏。出ている音自体はデカいし、ぐちゃぐちゃだし、轟音なんですが、どこか「静か」という印象。レクイエム的な演奏?
(写真右下に映り込んでいるのは、重しに使った「サイエンスフィクション」のオーネットです・笑)
・1曲目はブロッツマンのトリオ。ベース、ドラムは良く知りませんが、主流派寄りのミュージシャン?wikiを見るとブランフォード・マルサリスやジョー・ロヴァーノとの共演歴も。コンテンポラリージャズの複雑化に伴ってか、主流派といわゆる「フリー」の境目は曖昧になっているような気もしますが。冒頭、情感あふれるブロッツマンのソロが良い。やっていることはずっと同じとも言えるのですが、カッコイイので無問題。ベースもかなりグっときました。アルコが素晴らしい。
・2曲目は、DKVトリオ+3。「強力無比なツインベース、ツインドラムがグイグイ突っ走るうえで猛獣2人が吠えまくる」というのを期待していたのですが、少し物足りないかも。後半はとてもカッコイイ。
・Full Blast。文句なし。3人が7分半暴れまわるとっても楽しいセッション。エレベが気持ちいい。演奏の締め方も完璧。
・最後は息子ブロッツマンのバンド。ギターはなかなかカッコイイのですが、ボーカルはよく分からない。最近こういうロック的なものに対する感受性が鈍ってきているようで、あまり興味を持てず。
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5枚組ですが、これを一気に聴き通すのはさすがに厳しいですね(笑)。真剣に聴いていると疲れてしまうようなヘヴィな音楽がたっぷり詰まっています。万人におススメできるものでは当然ありませんが、個人的にはとても良い買い物でした。特にヘヴィ・ウェイツは収穫。「Yatagarasu」欲しい・・・。