たぶん思ったことあんまりまちがってない

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コルトレーンを聴く

今日はジョン・コルトレーンの命日ということもあって、行きつけのジャズ喫茶でコルトレーンを聴いたりしたのでした。

バイト終わりにいつものごとく大学近くのジャズ喫茶に入ると、かかっていたのは晩年のミンガスの録音でした。ミンガスの作品としてはさほど良くはないかなと思いましたが、マリガンのバリトンが意外なほどアグレッシブに攻めていて好印象。続いて、私がドルフィー好きだと知っているマスターがかけたのが『Dolphy In Europe vol.3』。言うまでもなく大好き。その後、ランディ・ウェストンの『Saga』(ビリー・ハーパーの参加が嬉しい)、リッチー・コールの『Hollywood Madness』(あまり好きではないのですが、たまに聴くと悪くないかも)、シャーリー・ホーンの『You Won't Forget Me』と続いていったところで、今日がコルトレーンの命日だということを思い出し、「何かコルトレーンをかけてもらえませんか?」とリクエストを入れました。

で、マスターに「コルトレーンの何がいいかな?」と聞かれ、迷った挙句にチョイスしたのがこれ。

 

Lush Life

Lush Life

 

コルトレーンで好きな盤を一枚挙げろと言われたら、みなさんは何を選ぶでしょうか。個人的には、『Interstellar Space』か『Selflessness』かなあ。前者はラシッド・アリとのデュオで、「これぞコルトレーン!」という壮絶なテナープレイがじっくり堪能できます。テナーとドラムのデュオというのは、今やフリージャズではよくあるフォーマットだと思いますが(ヴァンダーマークとニルセン・ラブのデュオとかたまらんです)、当時としては珍しかったのでは。いずれにせよ、これは今聴いても色あせないものがあると思います。後者は1曲目に収録されている「My Favorite Things」が名演との評判が高いアルバムですが、私は2曲目の「I Want To Talk About You」が大好きなのです。終盤の長い長いカデンツァにはしびれまくり。タイトル曲も、中盤(主にマッコイのソロ)こそややダレている印象がありますが、ポリリズムの洪水が押し寄せてくる感じがツボです。それに、ここでのファラオのアプローチはかなり面白いと思うのです。

他にも、ドルフィーファン目線では『Inner Man』なども最高だし、『Kulu Se Mama』なんかもけっこう好きなのですが、私の他に2名ほどいたお客さんに気を遣い、無難なところとして『Lush Life』を選んだというわけです。しかし、これが久々に聴くと素晴らしい。ドナルド・バードは正直いなくても・・・という感じなのですが、いずれにせよ名演には違いないでしょう。若きビリー・ストレイホーンが書いた「飲んだくれの人生」という歌詞を思い起こし、ちょっとしんみり。「To get the feel of life from jazz and cocktails」という一節が胸に突き刺さります(私は下戸なので飲んでいたのはカクテルではなくコーヒーなのですが・笑)。

 


John Coltrane Lush Life Lush Life 1957 - YouTube

 

正直に言って、最近は「ドルフィーやファラオを聴くためにコルトレーンを聴く」という感じになりつつあったのですが、やはりコルトレーンも良いですね。これからの私の「やけくその人生」においても、コルトレーンは重要な位置を占めていきそうです。