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ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

Oliver Lake / All Decks

オリバー・レイク熱、再燃。

 

All Decks

All Decks

 

最近ゲロ忙しかったのでブログを放置してしまっていましたが、それでも色々聴いてはおりまして。そんな中の1枚がこれ。隠れフリージャズ大国(?)スイスのINTAKT RECORDSから出たオリバー・レイクのアルバムです。メンバーは、Oliver Lake(As), Chrisitian Weber(B), Dieter Ulrich(Ds), Nils Wogram(Tb)。

オリバー・レイクに関しては、私もご多分に漏れずWorld Saxophone Quartetで存在を知りまして、その音と時にブチ切れる演奏にやられたクチなのですが、近年の作品は全然追いかけていませんでした。そんな中、先日いつものジャズ喫茶で、マスターがかけてくれたのが『Holding Together』(普段は普通にハードバップとかがかかるお店なのですが、客が私しかいない時はこっそりフリージャズを聴かせてくれます)。これが時代を感じる部分がありつつも、やっぱり良くて、自分の中でオリバー・レイク熱が再燃してきたというわけです。

そして、最近の物も聴いてみようかしらと思って手に取ったのが本作。決め手になったのはトロンボーンのニルス・ヴォグラムの参加でした(ほとんど名前しか知らない人だったのですが、ジャズ評論家横井一江さんが「マンゲルスドルフ以来の逸材」と書いているのを見て、ピットインでの来日公演を予約しちゃったり。その後youtubeで演奏動画を見て愕然。ライブ楽しみです)。

前置きがやや長くなりましたが、このアルバム、なかなかに素晴らしいと思います。演奏のフォーマット自体はオーソドックス(曲があって、ソロを回していく)なのですが、暴れまわる御年70歳のレイクに恐ろしく上手いヴォグラムのトロンボーンが絡んでいく様は、非常に気持ちが良いのです。1曲目中盤からのレイクのブチ切れっぷりを堪能した後は、しっとりとした2曲目でクールダウン。奇妙に陽気な3曲目、冒頭のトロンボーン無伴奏ソロがたまらん4曲目と続き、5曲目はシンプルなベースラインが約10分間延々ループするうえでレイクとヴォグラムが絡んだり、ソロを回したり。最後の6曲目、やっぱりブチ切れるレイク。曲も良いです。

個人的に結構気に入っているのですが、「Oliver Lake All Decks」で検索しても、日本語で書かれたページはショップのサイトくらいしか出てこないですね・・・。INTAKTのラインナップはなかなか魅力的だと思うのですが、日本だとあんまり流通してないんでしょうか。Amazonで比較的簡単に入手できるのが救いかな。同じINTAKTから、アンドリュー・シリル、レジー・ワークマンとレイクのトリオ(ゲストにジェイソン・モラン)なんてのも出ているらしく、そのうち聴いてみたいと思っています。

 

≪関連?動画≫


World Saxophone Quartet - If 6 was 9 - YouTube

レイクのソロ、激かっこいい。

 


Nils Wogram / Simon Nabatov Duo - Split The ...

ヴォグラム本人がyoutubeに動画を挙げています。「○○の再来」みたいな言い方はあまり好きではないのですが、「マンゲルスドルフ以来の逸材」と言われるのも納得。