マックス・ローチ・ブーム到来
特定の一人のミュージシャンの作品を一気に聴くというのが個人的にプチ・ブームになってまして、特に理由があるわけでもなく、最近やたらとマックス・ローチを聴いています。
マックス・ローチと言えば、菊地成孔さん言うところの「ビバップの神々」の一人であり、クリフォード・ブラウンとの双頭クインテットなど、一般のジャズファンにも非常に人気が高いドラマーだと思うのですが、60年代以降の活動についてはイマイチ言及されることが少ないように感じています。
そんなわけで、最近よく聴いている60年代以降のマックス・ローチ作の動画を適当に貼ってみようかと。
Max Roach - Garvey's Ghost - YouTube
1961年の『Percussion Bitter Sweet』より。この時期の作品はジャズ本などでも比較的よく紹介されているかと思いますが、やはりカッコイイ。何かのインタビューで、カサンドラ・ウィルソンが「アビー・リンカーンの偉大さはもっと認識されるべき」と言っていたのを覚えていますが、激しく同意。また、このアルバムでは、ドルフィーが大きくフィーチャーされる「Mendacity」という曲も面白いです。どうかしてるとしか思えない変な構成が印象的。
1968年『不屈の闘士』より。廉価版を出しているワーナーのサイトを見ると、かつては「クラブシーンで人気のレア盤」だったそうです。なるほど、レアグルーヴ的な需要があるというのは分かりますね。けっこう好きです。
Max Roach & Anthony Braxton - Birth - YouTube
1978年『Birth and Rebirth』より。こーれはカッコイイ!!この時期はアーチ―・シェップとかセシル・テイラーともデュオ作品を出しています。78年にはダラー・ブランドとのデュオなんてのもありますね。
M'Boom - Live at Alassio 1979 Max Roach, Ray ...
70年代のローチの活動は実に多彩です。バップのオールスターとの懐古的なセッションもあれば、フリー・インプロ色の強いものもあるし、こんなパーカッション・アンサンブルもやっています。
こうやって並べて聴いてみると面白いですよね。前回取り上げたジム・ホールやこのマックス・ローチのような大巨匠たちが、フリージャズやフュージョン以降の時代に何をやっていたかという点に着目すると、色んな面白いものが聴けるような気がしています。
みんなそれぞれの形で流行りものに乗っかっていたり、古い様式に固執していたりしますが、ジム・ホールやマックス・ローチは、確固とした自分のスタイルを持ちながら新しいことにも挑戦していた人であって、そこが偉大だったと思うのです。もちろん中には今聴くと残念な感じの作品もありますが、素晴らしい作品もたくさんありますので、「ブラウン=ローチしか知らない」というジャズファンの方も色々聴いてみてはいかがでしょうか。