たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

マクフィー&フラーテン Blue Chicago Blues

音色。音色なんです。

 

Blue Chicago Blues

Blue Chicago Blues

 

 

今週は待ちに待ったJAZZ BiS階段を観に行ったのですが、ドタバタしててブログ更新はできず。ちょっと日が開いてしまったし、ライブレポートをあげている人が他に大勢いそうなので、普段通り最近聴いているCDの紹介をしようと思います。

(ちょびっとだけJAZZ BiS階段の感想を記しておくと、すごくマジメで真摯な演奏だと感じました。アイドルが場を荒らして化学変化が起きるかと思っていたらそうでもなく、良い意味でマジメにノイズ・インプロしてました。また、BiSファンやノイズ・クラスタのお客さんが多い中、一番客席を沸かせていたのが坂田明さんだったというのも印象深かったですね。いやー、坂田さんホントすごいです。)

 

…というわけで、今回紹介するのがこれ。Joe Mcphee(Ts)とIngebrigt Haker Flaten(B)のデュオです。2007年の録音ですが、発売は2010年。同年亡くなったシカゴの重鎮テナー奏者Fred Andersonに捧げられています。

元々管楽器と何かのデュオというフォーマットはとても好きで、しかも敬愛するマクフィーとフラーテンという組み合わせ。期待して聴いたのですが、予想を上回る傑作でした。収録された6曲の即興演奏は、確かにタイトル通りブルース感覚に満ちています。パワフルで多彩なフラーテンのベースは最高だし、マクフィーの音色がめちゃくちゃカッコイイ。

 


Joe McPhee / Ingebrigt Håker Flaten - Requiem For ...

 

個人的にジャズ(ジャズをベースにした即興演奏を含む)の一番面白いところ、聴いていてグッと来るところは、各奏者の個性というか「カラー」のようなものが前面に出る点だと思っています。そうした「カラー」を感じさせるのは、アドリブのフレーズかもしれないし、作編曲やプロデュースの能力かもしれません。色んな要素があるでしょうが、その中で私が特に惹かれるのは音色面での個性。今まで特に意識していたわけではないのですが、私が管楽器の演奏ばかり聴いているのは、管楽器が一番音色の違いが分かりやすいからなのかもと思っています。

その点、マクフィーのテナーの音色は思いっきりツボなのです。どういう音色を「カッコイイ」と感じるかは極めて個人的な感覚の問題なんだろうと思いますが、生で聴いた時に音色一発でやられてしまった人というのが何人かいて、その一人がマクフィーなのです(ちなみにテナーだと他に松本健一さん、広瀬淳二さんなど)。ピットインのセッションで聴いたあの深ーい音は忘れられません。

録音物で聴くと生で聴いた時の印象とはだいぶ違ったりもするのですが、この作品はなかなかイイ感じに録れていると思います。トラック名が「Truth in the Abstract Blues」とか、「The Shape of Blues to Come」なんて付いてるのもニクい。Amazonは在庫切れのようですが、フラーテンのサイトとかで買えると思います。おススメです。

 

 

≪関連動画≫


Joe McPhee & Ingebrigt Håker Flaten live @ The ...

別の日のライブ映像を発見。こちらはソプラノを吹いてますが、紹介したCDではテナーのみ。