たぶん思ったことあんまりまちがってない

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Archie Schepp Yasmina, A Black Woman / Poem for Malcom

こちらも説得力に満ちた音。

 

Yasmina a black woman / Poem for Malcolm

Yasmina a black woman / Poem for Malcolm

 

BYGから出ていた2枚のアルバムをイギリスのレーベルが 1枚にまとめてCD化したもののようです。この時代のシェップは結構好きで、サニー・マレイやデイブ・バレルの作品にサイドマンとして参加しているものなどを愛聴しているのですが、この2枚は初聴。豪華というべきか何だかよく分からないメンツに惹かれて購入しました。

 

『Yasmina, A Black Woman』のパーソネルは、以下の通り。

Archie SheppHank Mobley(Ts, Vo)、Clifford Thornton(Cornet)、Lester Bowie(Tp)、Arthur Jones(As)、Roscoe Mitchell (Bass Sax)、Dave Burrell(P)、Malachi Favors、Earl Freeman(B)、Sunny Murray、Philly Joe Jones(Dr)、Art Taylor(Rhythm Logs)、Laurence Devereaux (Balafon)

 

AEOC勢やサニー・マレイ、デイブ・バレルと並んで、なぜかモブレー、アート・テイラー、フィリー・ジョーなどが参加しています。A面に収録された約20分あるタイトル曲は、いかにもこの時代のアフリカ回帰ものフリージャズといった趣きでゲロカッコイイです。シェップのテナーは咆哮・絶叫も含みますが、こちらの息が詰まるほど延々と吹きまくるというタイプではなく、強烈な音の短いフレーズを紡いでいくイメージ。とてもイイです。一方、モブレーの加わるB面はジャムセッションっぽい演奏が2曲で、「まあこれは無くても良かったんじゃ…」って感じ。

 

そして、モブレーは『Poem for Malcom』の方にも入っています。

Archie Shepp(Ts、Ss、P)、Hank Mobley(Ts)、Grachan Moncur III (Tb)、Vince Benedetti、Burton Greene (P)、Malachi Favors、Alan Silva(B)、Philly Joe Jones、 Claude Delcloo(Dr)

 

1曲目、「Rain Forest / Oleo」がひたすらカッコイイ。約10分ほぼ無伴奏状態でシェップが吹きまくったあと、グレシャン・モンカーが入ってくるところはシビれます。モブレーはイマイチいる意味が分かりませんが(笑)。

誤解されてはいけないので断っておくと、モブレー自体は決して嫌いではありません。60年代ブルーノートの諸作には愛聴盤もありますし(ワークアウトとか)、いわゆる「新主流派」のムーブメントに乗りそうで乗らないビミョーな感じとか結構好きなんですよ。でも、ここではモブレーの良いところが発揮されていないように思います(対照的に、フィリー・ジョーは意外とハマってます)。

 

総合すると、A面に「Yasmina, A Black Woman」、B面に「Rain Forest / Oleo」を入れていたらもっと傑作になっていたのでは…と思わなくもなくもない感じですね。LP起こしなのか音質はイマイチですが、シェップの音は十分に堪能できると思います。

ふと思ったのですが、このアルバムに参加しているようなシェップ周辺の人たちってまだ存命の人も結構多そうですよね。バリバリ演奏続けてる人もいるのかな?ロスコ―・ミッチェルなんかは現役で意欲的な作品のリリースを続けていますが、80年代以降のシェップとかはアレな感じの作品も多くてなかなか手が伸びず…。デイブ・バレルの近作とか全然フォローしていないので、この機会にちょっと聴いてみようかな。

 

 

≪関連動画≫

オレオへのよく分からん繋ぎ方もイイ。

 

 適当に検索をかけたらサニー・マレイの2010年の演奏を発見。ベースはアラン・ウィルキンソン・トリオのジョン・エドワーズですね。サックスのTony Bevan(読めない)という方は恥ずかしながら知りませんでした。イギリスのフリージャズサックスの流れって私の知らないすごい人がたくさんいそうなんですが、いまいち情報収集できてなくって…。