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「野のなななのか」を観る

ここしばらく論文の〆切に追われていて、当ブログは完全に放置してしまっていました。その論文の提出に何とか「間に合い」まして、ずっと観に行きたかったこの映画を観ることに。

 

2014年5月31日「野のなななのか」@有楽町スバル座

 


映画『野のなななのか』予告編 - YouTube

※できれば予告編を目にする前に本編を観ることをおススメします。

 

敬愛する大林宣彦監督の最新作で、前作「この空の花―長岡花火物語」の姉妹編。その前作は私の生涯ベストワン映画ですので、今作は何としても劇場で観たいと思っていました。そんなわけで期待が相当高まっていたんですが、それが裏切られることはありませんでした。この映画は、古里映画であり、戦争映画であり、青春映画であり、ファンタジー映画であり、アイドル映画であり、実験映画であり、カルト映画でした。入り乱れる現実と虚構、過去と現在。その中で紡がれていく、アイデンティティの物語、記憶の物語、血(生と死)の物語。

反戦」や「反原発」といった陳腐になりがちなメッセージから逃げない大林監督の姿勢には、本当に頭が下がります。リアリストを気取ってシニカルに嘲笑して済ますのではなく、しっかりと立って向き合うべきことを監督は一貫して語っているように思います。それも単なるお説教としてではなく、映画というフォーマットの中で様々な実験的手法と共に提示していくのです。これは映画人として圧倒的に正しいし、尊敬すべきことでしょう。

どう考えても万人受けする映画ではないので、「どなたにもおススメです!」とは言いづらいのですが、私はめちゃくちゃ好きです。劇場で観られるうちにぜひ。

 

 

≪関連作品≫

 


大林宣彦監督作品 映画「この空の花」 予告編 120秒バージョン - YouTube

野のなななのか」より、こちらの「この空の花」の方がとっつきやすいかも。坂田明さんが出演していて、少しですが演奏シーンもありますので、坂田さんファンの方にもおススメです。

音楽と言えば、どちらもパスカルズが出ていて、特に今作では大フィーチャーされています(劇中で5~6回は流れる主題歌を担当していて、ガッツリ出演もしてます)。

2作の予告編を並べてみて思ったのは、どちらも役者陣が素晴らしいということ。特に今作の常盤貴子、最高です。安達祐実にもグッと来ましたが、常盤貴子がこんなにイイとは思ってませんでした。