たぶん思ったことあんまりまちがってない

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訃報 チャーリー・ヘイデン

大好きでした。最愛のベーシストの1人でした。

 

 


Charlie Haden on Nightmusic - YouTube

7月11日、ベーシストのチャーリー・ヘイデンが亡くなったとのことです。ベーシストとして、作曲者として、プロデューサーとして、大好きな音楽家でした。上に動画を貼ったリべレーション・ミュージック・オーケストラなど、死ぬまでに一度は生で観たいと思っていました。本当に残念。

 

 


Ornette Coleman - What Reason Could I Give - YouTube

この曲、死ぬほどカッコイイ。私が最初に彼の存在を知ったのは、オーネット・コールマンのバンドだったように思います。ドン・チェリー、エド・ブラックウェル、チャーリー・ヘイデン、みんな亡くなってしまったということですよねえ…。

 

 


Spiritual - Charlie Haden and Hank Jones-Steal ...

ヘイデンと言えば、デュオの名手でもありました。キース・ジャレットパット・メセニーとのデュオが有名かと思いますが、オーネットやドン・チェリーアーチー・シェップ、ケニー・バロン、晩年のハンプトン・ホーズなどなど、かなりの数デュオ演奏の録音を残しています。その中でも個人的に思い入れが深いのがハンク・ジョーンズとのデュオ。黒人霊歌や賛美歌などを演奏しているとても地味なアルバムですが、これがまたイイんですよ。

 

 

ヘイデンはエグベルト・ジスモンチとの作品など、ラテンやワールド・ミュージック的な広がりを持ったものもたくさん作っていますが(ヤン・ガルバレクとジスモンチとのトリオなど、素晴らしいです)、「アメリカ」ということに強く拘っていた音楽家でもあると思います。アメリカに根付いた民謡や賛美歌、カントリーなどを繰り返し演奏し続けていたわけですが、それは単なる「古き良きアメリカ」礼賛に留まるものではありませんでした。

 

Not in Our Name

Not in Our Name

 

アメリカの現状に対する批判的メッセージを含むこんな作品も。

 

時として、「音楽に政治を持ち込むな」といった言説を目にすることがあります。政治的メッセージの善し悪しが作品の出来に直結しないという点では同意できますし、あらゆる現実と切り離された「純音楽」のようなものもあり得るのかもしれません。しかし、演奏家の現実の生に政治的なもの、社会的なものが深く食い込んでくるときに、それを音楽で表現するというのも、自由な音楽の1つのあり方だと思うのです。政治も人間の生の中の多様な要素の一部なんですから。そうした現実の表現という点において(もちろんヘイデンの発するメッセージのすべてに同意できるわけではありませんでしたが)、ヘイデンという人は偉大な音楽家であったと思うのです。

 

会ったこともないのに私なんかが「RIP」とか言うのはおこがましい気がするのでやめておきますが、ファンの1人として心を痛めています。本当に残念。以下に思い出深い彼の作品のリンクを貼ることで、個人的な追悼に代えたいと思います。

 

 

 

Liberation Music Orchestra

Liberation Music Orchestra

 

 

Ballad of Fallen

Ballad of Fallen

 

  

Dream Keeper

Dream Keeper

 

 

Closeness

Closeness

 

 

 

As Long As There`s Music

As Long As There`s Music

 

  

Night and the City

Night and the City

 

  

This Is Our Music

This Is Our Music

 

 

Magico

Magico

 

 

Folksongs

Folksongs