たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

エリック・ドルフィーの誕生日

生きていたら、今日で87歳。それより年上で現役の人って、リー・コニッツランディ・ウェストンロイ・ヘインズくらいでしょうか。

 

 


Eric Dolphy - A great solo on Take the A Train - YouTube

 

 

誕生日祝いに何か書こうかと思って、手元のドルフィー・トリビュートものを色々聴いてみたりしたのですが、ドルフィー本人の演奏聴いた方が良いじゃん」という身も蓋もない結論に達してしまいました。ジェローム・ハリスのとかオリバー・レイクのとかはイイ線行ってると思うし、大友良英さんのやつなんかも面白いんですけどね…。

 

で、「特に書くことないなー」とか思いながらネットでドルフィーディスコグラフィなんぞを眺めていたら、未聴の作品が意外とあることに気づきました。リーダー作はあらかた聴いているものの、サイドマンとして入っている作品は知らないものも多かったりして。たとえば、↓の作品は、つい最近ジャズ喫茶で聴くまで知らなかったのです。

 

 

PLENTY OF HORN

PLENTY OF HORN

 

Ted Curson(tp), Bill Barron(ts), Kenny Drew(p), Jimmy Garrison(b), Roy Haynes(ds), Eric Dolphy(fl), Danny Richmond(ds), Pete La Roca(ds) 

 


Bali-H'ai TED CURSON - YouTube

テッド・カーソンの初リーダー作のようです。かつて「幻の名盤」扱いされてた時期もあったみたいですが、私が買ったLP盤は数百円でした。まあまあイイ感じのメンツで、良くも悪くも事前の予想を裏切るようなものはなく。ドルフィーの参加は2曲だけです。フルートで色付けしている程度なんですが、これはこれで味わい深い。

 ドルフィーがサイドマンとして加わっている作品というと、ミンガス、コルトレーンブッカー・リトル、アンドリュー・ヒル、ジョージ・ラッセル、オリヴァー・ネルソン、ジョン・ルイス、チコ・ハミルトン辺りは結構聴いているのですが、テッド・カーソンは完全に盲点でした。調べてみると、エディ・ロックジョウ・デイヴィスベニー・ゴルソンのリーダー作にも一応参加しているみたいで、その辺も聴いてみたいと思っています。クレジットを見る限りでは、ドルフィーが前に出てくるようなものでもないっぽいんですが、ドルフィーの異質感が全体の雰囲気に影響を及ぼすような場合もあるので…。

 

改めて、ドルフィーって色んな意味で「どこに向かうか分からない」ようなところに魅力があると思います。ソロ時の跳躍するフレーズとか、一聴してそれと分かる特徴を持った人ではあるけれども、どこか完成されきっていない感もあって。「ブッカー・リトルが早逝しなかったらどうなっていたんだろう」「ミシャベニンクと演奏を続けていたら…」「アウト・トゥ・ランチの方向性でもっと発展させていたら…」「タブラとか入れてみた時期って、どんなことを考えていたんだろう」とか、妄想の余地がたくさんあるのは楽しいです。ドルフィーが亡くなっている以上、それらの答えは永遠に出ないわけですが、だからこそなのか、10年以上聴いていても全然飽きないんですよねえ。少しずつ未聴のものを減らすことも考えつつ、今後も末永く付き合っていくことになりそうです。