読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

今井和雄 the seasons ill

脳天直撃。

 

f:id:zu-ja:20170408212933p:plain

今井和雄(Gt)

 

今井和雄さんのエレキギターによる大音量での即興演奏を収めたライブ盤。正式な発売日は「2017年4月16日」ですが、4月1日のレコ発ライブで入手しました。水道橋Ftarriの通販でも既に入手可能で、4月15日までは「先行販売特価1,200円」とのこと。

本作には2本のライブ演奏が収録されていて、それぞれ「Delay 160925」「Delay 160407」というタイトルが付いています。6ケタの数字は録音年月日で、ディレイを用いた即興演奏とのことですが、これがもう凄まじいの一言。1本あたり25分超、「これでもか」とひたすらに脳を揺さぶってきます。

ざっくり言えば、本作に収録されているのは音数を増やしながらノイズの嵐に突入していくタイプの強烈なパワー系即興演奏で、轟音に身を委ねているだけでも麻薬的な気持ち良さがあります。しかし、これがデタラメにはまったく聴こえないのです。ミュートを駆使してバキバキという硬質な音や残響音を巧みにコントロールし、ディレイによって多層的な音の激流状態になっている場面においても、目にも止まらぬスピードで音楽が「展開」しているように感じます。

 

個人的には、音楽は「展開」してもしなくても良いと思っています。たとえば、たまたま本作と同時に購入したチューバ即興トリオMicrotubなんかは、3人のチューバ奏者がひたすらに持続音を鳴らす「だけ」の音楽で、とても大きく、ゆっくりとしか展開しません。あるいは、「フレーズ感が稀薄」と言い換えることもできるかもしれません。

 

 

もっと極端に、本当に無機質に音を積み上げるだけみたいな音楽もあるわけですが、この『the seasons ill』に収録されている演奏はそうではなく、ゴリゴリの轟音の嵐の中にあっても、単にフレーズを紡ぐに留まらない多彩な展開を聴くことができます。これをライブで、しかも爆音でやっているというのは本当に驚くべきことで、演奏者の強靭な意志と異常な集中力に圧倒されます。

 

まあ余計なことをゴチャゴチャ言わずとも、ディレイによって「何人もの今井和雄が波状攻撃を仕掛けてくる」というだけで激ヤバいですし、身体的な快感がハンパないです。私のようなド腐れジャズ野郎にも刺さりまくりで、2017年の暫定1位。大推薦です。

 

参考動画① 参考動画②

(クリックすると今井和雄さんのfacebookページに飛びます)