Matana Roberts / Coin Coin Chapter Three: River Run Thee
当ブログはマタナ・ロバーツを引き続き推していきます。
Matana Roberts(Alto saxophone, Korg Monotron, Korg Monotron delay, Korg Monotron duo analogue, wordspeak, early 1900s Archambault upright piano)
マタナ・ロバーツのCoin Coinの3作目。Coin Coinは全12章の作曲プロジェクトで、第1章が2011年、第2章が2013年に発売されています。1作目はラージアンサンブル、2作目はクインテット+テノール歌手という編成でしたが、今作はなんとソロ!12トラックに分かれていますが、実質的には1曲約45分の大作。
フィールド・レコーディング、アルトサックス、エレクトロニクス、ヴォイス、スポークン・ワード、サンプリングなどなどが多層的に折り重ねられていて、相変わらずマタナ・ロバーツという人のトータルプロデュース能力には舌を巻きます。過去作がジャズのフォーマットを明確に下敷きにしていたのに対し、本作はドローンやミニマル的な要素も。ヴォイス、スポークン・ワードの占める割合も格段に増えています。どことなく不穏な空気感で始まり、少しずつ、そして大きく展開していくこの音楽、どう形容するのが適切なのかまったく分かりませんが(ちなみにマタナ・ロバーツ本人は、このCoin Coinプロジェクトをpanoramic sound quiltingと呼んでいます)、まあとにかく私は好きです。
個人的には第2章の方が好みでしたが、本作も多方面で取り上げられてしかるべき作品だと思います。今月の『ミュージックマガジン』で松山晋也さんが紹介したりもしているのですが、ざっと検索しても日本語で書かれた情報がほとんど出てこない(レコ屋の通販ページばかり)というのは寂しい限りです。
Coin Coin Chapter One: Gens De Couleur L
- アーティスト: Mantana Roberts
- 出版社/メーカー: Constellation
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: CD
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Coin Coin Chapter Two: Mississippi Moonc
- アーティスト: Matana Roberts
- 出版社/メーカー: Constellation
- 発売日: 2013/09/30
- メディア: CD
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