たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

デイヴ・レンピスの2枚

シカゴ勢強化月間の最後を締めくくるのはこの人。

 

 

Balliser: Dave Rempis(As, Ts, Bs), Fred Longberg-Holm(Cello, Electronics), Paal Nilssen-Love(Dr)

 

この1月に、シカゴの俊英デイヴ・レンピスが自身のレーベルから2枚の新譜を出しました。そのうちの1枚がこれ。上記メンバーの強力なトリオ、Ballisterのスタジオ盤です。2009年ごろに結成されたこのトリオは既に4枚もアルバムを出しているのですが、私が持っている2枚(『Mechanisms』『Mi Casa Es En Fuego』)はどちらもお気に入り。

本作も基本スタイルは過去作と変わりなく、スタジオ録音であっても1曲目からブチかましてくれます。(特にアルトの時の)レンピスの魅力は「突破力」だと思っていて、ある種の爽やかさ、清々しさすら感じさせるような突き抜け方が素晴らしいです。聴く前の予想を上回る(裏切る)ようなものは特にありませんでしたが、かっちょいいので無問題。

 

 

 


Ballister, Conundrum Music Hall 3/31/2014 Set 1 ...

他にも動画は結構あがっているので、興味がある方はぜひ検索を。

 

 

 

 

Nate Wooley(Tp), Dave Rempis(As), Pascal Niggenkemper(B), Chris Corsano(Dr)

 

もう1枚がこちら。 今もっとも面白いトランぺット奏者の一人、ネイト・ウーリーらとのカルテット。こちらもBallisterの方と同じく2014年のスタジオ録音です。Ballisterの新譜をdiskunion Jazz Tokyoに買いに行ったとき、これが横に並べて置いてありまして、ネイト・ウーリーの名前に釣られてまんまと購入。

ついでで買ったとは言え、こちらもなかなかイイです。レンピスはある意味で「ジャズ的」な奏者という印象が強かったのですが、共演者の影響なのか、本作ではいわゆる「フリー・インプロ的」な色が増しているように感じます。それも悪い意味でそうなっているのではなく、ジャズのイディオムやクリシェに収まらずに色々やっているように聴こえます。レンピスが循環呼吸で延々吹き続けているところにウーリーが色付けしていく、なんて場面もあって面白いですね。

 

 

 

 

 

<おまけ>

Year of the Boar

Year of the Boar

 

 レンピスの魅力が存分に発揮されている傑作。曲もイイし、大の愛聴盤です。