たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

静寂 LAST LIVE

8月後半から研究会・学会関係の合宿が3つほど続きまして、しばらく東京と地方を行ったり来たりしていました。その合間に購入したのがこれ。

 

 

LAST LIVE

LAST LIVE

 

 灰野敬二(Vo, Gt, Fl, Perc)、ナスノミツル(B, Vo)、一楽儀光(Dr, Vo)

 

 

2012年に行われた、灰野敬二さんのバンド「静寂」のラストライブ。信頼と安心のダウトミュージックから、『静寂の果てに』と同時発売されています。2枚同時に購入すると特典DVD-Rが付くとのことで、もう一枚も買うかどうか非常に迷ったのですが、懐具合をみてとりあえず『LAST LIVE』の方だけ購入することに。

 

実は、灰野さんのリーダー作を買うのは8~9年ぶりくらいです。高校生の時、兄の影響を受けて『ロスト・アラーフ』とか『哀秘謡』とか『滲有無』とか聴いてました(主に通学中にMDで)が、その後ジャズにハマってからはアングラ的なものに対する興味を一切失っていた時期がありまして…。で、色々こじらせてフリージャズの無間地獄から抜け出せなくなった結果、ブロッツマン等を経由して灰野さんにまた戻ってきたわけです。

 


Lost Aaraaff (Keiji Haino) - Untitled 1 - YouTube

うーむ、懐かしい。周りがアジカンがどうだバンプがこうだと楽しげに話しているときにこういうものばかり聴いていて、青春時代を色々と無駄にしました…(流行り物でも先入観を持たずに聴いた方が人生楽しくなると今は思ってます)。明大前のモダーンミュージックにも何度か行きましたね。普通のマンションの一室で、オートロックを開けてもらわないと入れなくて、ドキドキしながらインターフォンを鳴らしたのをよく覚えています。

 

で、肝心の『LAST LIVE』の中身ですが、ゴリゴリで、ドロドロで、とてもへヴィです。すごくかっちょいい。説明や余計な解釈の必要がまったくないシンプルな表現方法で、黙って爆音で聴けば良いという作品だと思います。一楽さんのドラマーとしての最後の演奏だとか、そういう周辺情報(物語)も不要でしょう。1枚目の最後に入っている「Iranai」という曲が象徴的で、3.11後の日本でこれをやるというのは表現として率直すぎるくらいに率直だと思うんですよね。

 


静寂/いらない 8/15/2011 - YouTube

レーベルHPのアルバム紹介文に「ブルース・バンド」とありましたが、これは確かにブルースです。

 

今更ながら灰野さんの音楽はすごいなと思い直しました。恐ろしいことにApple Musicでもいくつか聴ける(!)ようですし、またちょくちょく聴いてみようかなと思い始めています。

 

 

<参考:本作のライブ映像>

終盤~アンコールの様子。当たり前ですがCDは録音ちゃんとしてますし、CDで聴くことをオススメします。