Paal Nilssen-Love & Ken Vandermark Pit Inn Sessions 2012
ライブの感想も書いてみます。
2012年9月11日@新宿PIT INN
ポール・ニルセン・ラヴ(Ds)ケン・ヴァンダーマーク(TS,Cl,Bs)
ゲスト:坂田明(As,Cl)、八木美知依(エレクトリック21絃筝、17絃ベース筝)本田珠也(Ds)
第1部はヴァンダーマークと本田珠也さんのデュオ。
まずはバリトンで15分くらいのインプロ。その後テナーに持ち替えてもう1本。1曲目からとにかく圧倒され、「30分くらい経ったかな?」と思って時計を見たら15分しか経ってなくてびっくり。めちゃめちゃ密度の濃い演奏でした。
ヴァンダーマークはいきなりプギャーっとかますとかではなく、何というか「しっかりした」印象の演奏をしていました(第1部に限らず、その後も)。もちろん叫ぶところは叫ぶし、すさまじくエネルギッシュなんですが、ただのハチャメチャではないといった感じ。音がデカく、音圧が強い。そして何よりカッコイイ。短いフレーズをしつこく繰り返して盛り上げていくところ(タイプは違うけど、グラント・グリーンがよくやる感じのアレ)では、アドレナリン全開にさせられました。
本田珠也さんは荒武裕一朗さん(Pf)や南博さん(Pf)のグループで何度か観ていましたが、フリー系の演奏を観るのは初めて。日本人離れした体格から繰り出されるプレイは迫力満点で、パワーもスピードもすごい。ヴァンダーマーク相手に一歩も引いてないなと思いました。
第2部はニールセン・ラヴ、坂田明さん、八木美知依さんのトリオ。
ニールセン・ラヴも、すさまじいパワーでした。今までいろんなドラマーを観てきましたが、その中でも群を抜いたド迫力。パワープレイでありながら単調ではなく、多彩な技を織り交ぜてきて、こりゃすごいと思いました。個人的にアトミックが苦手だったりして、今までそれほど熱心に追いかけてこなかったんですが、そんな自分にアホかと言いたくなりました。
八木さんは初見。高校生の頃、兄にライブ盤(下記リンク参照)を借りたんですが、当時メタルキッズだった私は「何か難解だなあ」くらいの印象しか持ってませんでした。しかし改めて生で観ると面白いですね。ベース筝の音色が気持ち良く感じたし、絃に物を挟んだり、ドラムのスティックで叩いたり、表現の幅が広くて可能性の大きい楽器だと思いました。
坂田さんは言うことないです(笑)言うまでもなくいつもの坂田さん。最高。
第3部は全員でセッション。
ツインドラムに2管フロント、ぐしゃぐしゃと絡み合う筝。坂田さんの絶叫も飛び出し、爆発。熱狂。感動と興奮でなぜか笑いが込み上げてくる始末。やられました。
いろいろ面白い場面がありましたが、クラリネット2本ぴょろぴょろが最高でした。ヴァンダーマークの循環呼吸でテンションあがりまくり。
アンコールはヴァンダーマークとニールセン・ラヴのデュオ。文句なくカッコイイ。お客さんは一杯入ってましたし、ミュージシャンも観に来てたみたいですね(帰り際に某バンドのトランペットの方を見かけました)。いやー、すさまじいパワーを全身に浴びたライブでした。次回の来日にも期待してます。
※ミュージシャンの敬称はどうするか悩みました。「渋谷毅」は、尊敬を込めて「渋谷さん」と呼びたいけれど、「マイルスさん」や「コルトレーンさん」と書くのにはなぜか違和感が・・・。とりあえず日本人だけ「さん」付けしてみましたが、他意はありませんので悪しからず。
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