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ペーター・ブロッツマン・フェス 11月14日

生ブロッツマン、初体験してきました。

 

ペーター・ブロッツマン・フェス 2012年11月14日(水)

ペーター・ブロッツマン(As,Cl,Ts)、坂田明(As,Cl,Voice)、近藤等則(el-Tp)、八木美知依(エレクトリック21絃筝、17絃ベース筝)、本田珠也(Ds)

 

<1stセット>

ブロッツマン(As)、八木(筝)、本田(Ds)

 

「よくこのメンバーで演っている」(MCのマーク・ラパポート氏)という3人でハードな即興1本。30~35分くらいだったかな。ブロッツマンの「ありがとう。大きいクラブで演奏できて嬉しい」的な挨拶で始まり、比較的静かに積み上げていったかと思うと、吼えまくるお得意のパターンへ。濁った音でブロウしまくるブロッツマンは、まさに王道のフリージャズって感じ。珠也さんのドラムがいつもながら凄すぎ。八木さんの筝も含め、破壊的でありながらトリオとして完成されたサウンドだと思いました。即興って終わり方も大事だと思うんですが、珠也さんの締め方がとてもカッコよかったのが印象に残りました。

 

<2ndセット>

ブロッツマン(Ts,Cl)、坂田(As,Cl,Voice)、近藤(el-Tp)

 

3人合わせて202歳(!)のトリオで短めの即興3本。近藤さんのトランペットも生で見たのは初めてだったんですが、これが予想以上の素晴らしさ。リバーブのかかりまくったトランペットの音は、特殊な空間を創り出したり、空気を切り裂いたり、凄まじい存在感を放っていました。出ている音自体は全然違いますが、初めて石渡明廣さんのギターを聴いた時に近い感覚。「何で今まで近藤さんの作品スルーしてきたんだろ・・・」と後悔しました。ブロッツマンはこのセットのみテナーを吹いてましたが、ブロッツマンのスタイルに一番合ってるのはやはりテナーだなと思います。ひしゃげたような音のテナーは最高でした。坂田さんはアルト、クラリネットと控えめな絶叫・うなり声。もちろん大好きです。

 

<3rd&アンコール>

全員でやや短めの即興。咆哮。熱狂。ちょっと哀愁みたいなものやロック的なカッコよさもあって、素晴らしかった。前のセットでもあったんですが、近藤さんがどこか民謡のような(?)哀愁のあるメロディを吹く場面があって、かなりグッときました。ブロッツマンはぐちゃぐちゃに吼えてるだけっちゃだけなんですが、どこかブルース感があったりして、良い感じ。八木さんがベース筝で作り出す反復リズムに珠也さんが反応してグルーヴを作り出し、その上でサックスが暴れまわる場面は、ちょっとThe Thingを彷彿とさせる感じで最高にカッコ良かった。アンコールもあって大満足。

 

いやー、すごいライブでした。最終セットで盛り上がっているとき、ずっと「you've got to have freedom」というファラオの言葉が頭の中をぐるぐる回り、ぶつぶつ呟きながら体を揺らしてました(文章にしてみると怪しさ全開ですね・笑)。ブロッツマンもすごかったのですが、個人的には近藤等則さんのプレイに触れたのが最大の収穫でした。Hairy Bonesとか見つけたら買ってみようかな。

 

 

 

※誰に読んでもらうでもなく、日記あるいは記録として更新してきたこのブログですが、今後しばらく更新のペースがかなり落ちると思います。修士論文の締め切りが迫っていまして、ライブに行ったりCDを買う機会が激減するためです。論文の提出期限は1月7日でして、その後はまた記録を付け、公開していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。1月7日以前にも、現実逃避で時々CDレビューくらいは挙げるかもしれませんが。それではみなさん、充実したジャズライフを。