たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

DKV +Gustafsson / Pupillo / Nilssen-Love SCHL8HOF

Amazonでは今日発売なのですが、先週ディスクユニオンで入手。

 

Schl8hof

Schl8hof

 

 Ken Vandermark(Ts), Mats Gustaffson(Bs, Ts), Kent Kessler(B), Massimo Pupillo(B), Hamid Drake(Ds), Paal Nilssen-Love(Ds)

※裏ジャケではヴァンダーマークの使用楽器にクラリネットが入ってるのですが、クラリネットは吹いてないっぽい?自分は聴き取れなかったのですが・・・。

 

敬愛するケン・ヴァンダーマーク率いるDKV Trioの新作がついに出ました。2011年に行われたMusic Unlimited 25(ブロッツマンがキュレーターを務めたフェスで、その一部はこのブログでも取り上げた”Long Story Short”という7枚組のアルバムにまとめられて発売されています)でのライブの模様を収録したもののようです。全3曲で、1曲目がDKVによる演奏、2・3曲目はポール・ニルセン・ラブ、マッシモ・ピューピロ、マッツ・グスタフソンの3人、言うなればNPG Trioを加えたセクステットでの演奏になっています。

1曲目、DKVによる約19分の演奏は、冒頭ケッスラーのベースがエレベであることに「うおっ」とやや面喰いつつも、中盤からの短いフレーズを繰り返しながら盛り上げていくヴァンダーマークお得意のパターンに興奮。とってもかっちょいいのですよ、これが。ハミッド・ドレイクのドラムも最高に気持ちいい。

2曲目は8分半、3曲目は30分半のDKV+NPG。おそらく右チャンネルがNPG、左チャンネルがDKVと割り振られています。2曲目初っ端から歪んだピューピロのベースとマッツの咆哮に「うひゃー」と思っていると、すぐさまヴァンダーマークが絡んできて狂熱の坩堝に。後はD,K,V,N,P,Gの組み合わせを色々と変えたりしながら目くるめくパワーミュージック絵巻がどんどん展開していきます。いずれ劣らぬ猛者6人、怪獣6体が暴れまわっていくのですが、かと言って無軌道なドシャメシャというわけではなく、様々な形で秩序が生まれたり変化したりしていくところが面白い。短いフレーズの繰り返しによってすさまじくグルーヴし、どんどん登りつめていく様はやはり超カッコイイなあ。

インプロな上にNPGが加わっていることもあり、大傑作「Trigonometry」の時などとは全然違うサウンドになっていますが、これはこれでカッコイイので無問題。単なるバカファンの私としては右からマッツ、左からヴァンダーマークが吠えているというだけで嬉しくなってしまうのですが、普段フリージャズやインプロを聴かない人、たとえばノイズとかハードコアのリスナーが聴いても面白いんじゃないでしょうか。

 

 

≪参考動画など≫ 

All In

All In

  • DKV, Gustafsson, Nilssen-Love & Pupillo
  • Avant-Garde Jazz
  • ¥250

youtubeではちょうど良い動画が見つからなかったので、試聴用にitunesのリンクを貼っておきます。 

 


20101229 DKV Trio - The Hideout - Chicago - YouTube

DKV。4分半くらいからのヴァンダーマークのプレイがしびれます。

 


Gustafsson,Vandermark,Haker-Flaten, Nilssen ...

メンツが被っているものとして、The Thing +Vandermark。今回取り上げたアルバムはこれとも少し印象が違うのですが、それにはピューピロの参加がデカいのかも。