女子ジャズ・・・?
去る11月4日、NHK FMで「今日は一日女子ジャズ三昧」なる番組が放送されていました。
用事があったのでちらっとしか聴けなかったのですが、「女性プレイヤーのジャズ」というよりは、「女子が好きなジャズ」みたいなゆるーい括りの、いわゆるスイーツ(笑)的な感じの番組だったようです。番組HPのセットリストを見ると、ジュリー・ロンドンやチェット・ベイカーといった「いかにも」感のあるものも多いのですが、グレン・ミラーやらチック・コリアなんかもあって、統一感があるんだかないんだか。
ジャズに「癒し」や「お洒落」を求める層がいるのも分かるのですが、自分ならどういう「女子ジャズ三昧」が聴きたいだろうかとちょっと妄想してみました。
①元祖”女子ジャズ”~パノニカに捧ぐ~
まずは、「パノニカ・ドゥ・コーニグスウォーターこそ”女子ジャズ”の元祖である!」と高らかに宣言。パノニカに捧げられた曲の数々を聴き、彼女の重要さに思いをはせるべきでしょう。
Thelonious Monk - Pannonica - YouTube
②ボーカル特集
女性ミュージシャンが多い領域と言えば、やっぱりボーカル。ビリー・ホリデイから始まって、ニーナ・シモン、アビー・リンカーン、フォンテラ・バスあたりの濃いのを聴かねば。
Nina Simone - Sinnerman full lenght - YouTube
このカッコよさ!! パワー!!!!
③女子ジャズ、コンテンポラリー
ラウブロックやハルヴァーソンあたりを聴きつつ、コンテンポラリー女子ジャズの状況を概観したい。
Ingrid Laubrock Anti House - Live at Landesgalerie ...
これぞ現代の女子ジャズでしょう。クール。
④女子ジャズ in Japan
近年のものではやっぱり秘宝感でしょうか。藤井郷子や早坂紗知も外せないところ。「ジャズ」と括る必然性はありませんが、浅川マキもぜひ。
早坂紗知 STIR UP / Black Out - YouTube
⑤カーラ・ブレイ特集
女子ジャズと言えばこの人しかいないでしょう。”関連音源”としてポール・ブレイ、アーネット・ピーコック、マイケル・マントラ―などを順番に聴いていき、エンディングはスティーブ・スワロウとのデュオ、「Soon I will be done」で決まり。
Carla Bley & Steve Swallow - Soon I Will Be Done ...
・・・うん、単純に自分が好きな女性ミュージシャンを並べただけになりましたが、書いてて「女子ジャズ」がゲシュタルト崩壊してきました。
結局のところ、性別が何であろうと、どんなにダメな人であろうと、聖人君子のような人であろうと、演奏が良ければ何でも良くね?って感じですね。マイルスも「良い演奏をするなら肌が緑で赤い息を吹いていても俺は使うぜ」みたいなことを自伝で書いてましたし。
「女子ジャズ」というステレオタイプへのささやかな抵抗を試みてみたのですが、まあ身もふたもない結論に至ってしまいました(苦笑)