たぶん思ったことあんまりまちがってない

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追悼 オーネット・コールマン

今日は、というか日付が変わったのでもう昨日ですが、吉祥寺foxholeにTrio de Ruinas(吉田達也ナスノミツル、小埜涼子)を観に行きまして、そのことを記事にしようかと思っていたのですが、やはり追悼の意を表しておきたくて。

 

Beauty Is a Rare Thing: the Co

Beauty Is a Rare Thing: the Co

 

 

すでに各所で報じられ、様々な方が追悼コメント等を発表されていますが、オーネット・コールマンが亡くなりました。かなり高齢だった(85歳)ので特段驚きはしませんでしたが、やはり寂しい思いはありまして…。夕方まで、家で事務作業をしながらオーネット関連作をずっと聴き返していました。

 

 

改めて色々と聴いてみても、一番好きなのが『Science Fiction』というのは変わりませんでした。やっぱり最高です。


Ornette Coleman - What Reason Could I Give - YouTube

そもそも、ジャズを聴き始めた頃はオーネットの何がすごいのかよくわからなかったのですが、行きつけのジャズ喫茶でこれを聴いて完全にやられてしまいまして。この作品を入口にオーネットの音楽にハマっていったのでした。そんなわけで思い出補正もかなり入ってますが、今聴いてもめっちゃくちゃカッコイイと思います。

 

 

それと、『Sound Grammar』なんかの近作もイイなと思いましたが、『This is Our Music』あたりがすごく好きですね。オーネット、ドン・チェリーエド・ブラックウェルチャーリー・ヘイデンというメンツは、「黄金のカルテット」と呼んで支障ないでしょう。

This Is Our Music

This Is Our Music

 

 もうジャケからしてヤバい。個人的にヘイデンの存在がとても重要だと思っていて、とてつもなく自由なオーネット&チェリー+祭囃子的なエド・ブラックウェルに、重心が低いヘイデンのベースが入ることで何とも奇跡的なバランスが成立しているように思います。『The Empty Foxhole』などもヘイデンがすごく効いていますよね。

 


Charlie Haden: Lonely Woman - YouTube

素晴らしい。ヘイデンもまた、偉大な音楽家でした。

 

 

いわゆる「フリージャズ」のミュージシャンって、誤解を恐れずにスーパーものすごく乱暴に言ってしまえば、どしゃめしゃパワー系か、理論派現代音楽系に大別できると思います。しかし、そのどちらでもなく、もはやフリージャズという枠にすらハマらない独自な人たちというのがいて、その筆頭がオーネットやドン・チェリーだったと思うのです。そのものずばり『Free Jazz』という作品もありますし、オーネットは「フリージャズの祖」的な扱いをされることが多いですが、それはおそらく適切ではなくて、オーネットはどの時代を切り取っても徹頭徹尾「オーネット」なんですよね。もちろん、フリージャズに与えた影響もとてつもなくデカいのですが。

 

生で演奏を観ることができなかったのは残念極まりないのですが、今後も日常的にオーネットの作品を聴き続けることは変わりないでしょう。素晴らしい音楽をありがとう……とだけ言ってしまうとなんだか過去のものになってしまうような気がするので、「今後もよろしく」と付け足しておきたいと思います。リリースが告知されている新作も、楽しみに待っています。