川下直広&山崎弘一 / I Guess Everything Reminds You of Something
死ぬほど忙しくて当ブログも全然更新できずにいますが、最近買った旧譜で思いっきり好みのものに出会ったので簡単にご紹介しておきます。
フェダインで知られるサックス奏者川下直広さんと、所謂「中央線ジャズ」のベテランベーシスト山崎弘一さんのデュオ作を聴きました。1997年録音。収録曲は以下の通り。
1. Africa #1
2. Yesterday
3. Pharaoh
4. Blue Moon
5. Besame Mucho
6. Alone Together
7. Africa #2
8. Come Sunday
9. Too Young
10. Now's The Time
<参考動画>
文句なしの傑作。「Besame Mucho」なんかめちゃくちゃシンプルに、ストレートにやってますが、この2人にしか出せない"味"が濃厚で最高です。フェダインのような暑苦しくハードな演奏ではないけれど、ある種の泥臭さのようなものは共通していて。川下さんのサックスはアルバート・アイラーやローランド・カーク、ファラオ・サンダースの影響を強く感じさせるもので、息遣いやビブラートが強烈に生々しくてたまらんのですよ。山崎さんのぶっといベースも相性バッチリです。
選曲も良い。「Come Sunday」なんてこのデュオのスタイルに完璧にハマってます。個人的にアーチー・シェップ&ホーレス・パーランのデュオとか、アイラーの『Goin' Home』みたいな「フリー系サックス奏者の黒人霊歌集」には目がないんですが、本作もそれに通じるものがありますね。無伴奏テナーの「Too Young」も沁みるなあ…。
本作は地底レコードからリリースされていますが、現在は廃盤になっているようです。実にもったいない。中央線界隈のジャズがお好きな方は、中古店等で見かけたらぜひ。ちなみに、私は行けませんが今月27日(水)に入谷のなってるハウスでこのデュオのライブがあるようです。川下さんの演奏は去年のフェダイン(一夜限りの?)再結成以来観に行けていないので久々に行きたいんですけど、論文の締め切りがががが…。