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たぶん思ったことあんまりまちがってない

ジャズ アルバム紹介やライブの感想など 

2016年4月10日 エヴァン・パーカー@稲毛CANDY

この体験をどう言葉にしたものか…。

 

 

2016年4月10日(日)エヴァン・パーカー@稲毛CANDY

 

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Evan Parker (Ss, Ts) 

 

 

実のところ、私は日常的にエヴァン・パーカーの録音を聴きまくっている熱心なファンというわけではなく、彼がアホかと思うほど大量に出している作品のうちのごく一部しか聴いていません。しかし、去年草月ホールで観た演奏、とりわけトリオからソプラノソロに移行する瞬間の空気の変化がどうにも忘れられず、今度はソロでガッツリ観たいと思いまして、約2時間かけて稲毛のジャズ喫茶キャンディまで足を運んできました。

 

 

<1stセット>

ソプラノサックスソロを25分ほど。「これぞエヴァン」という、循環呼吸とマルチフォニックスを巧みに用いたノンストップの即興演奏。客席1番前、手が届きそうなほど近くで堪能しました。これがCD等で聴いていた通りの凄まじい演奏だったのですが、実際に目の前で聴いてみて思い浮かんだのは「グルーヴ」という言葉。ミニマル・ミュージック的に少しずつ出音が変化していくことに伴う大きなグルーヴと、重音の低音部分をリズミカルに鳴らすことで生まれるグルーヴが合わさって、非常に大きなうねりを生み出しているように感じました。さらに、生の高音が左右の鼓膜をビリビリと揺らし、ずっと耳の奥を左右交互に撫でられているような感覚も。じっと聴いているうちに時間の感覚も変容・崩壊してきて、魔法にかけられたような気分でした。

 

 

<2ndセット>

15~20分ほどの休憩を挟んだ後に2ndセット。テナーで1本、ソプラノで1本、短めの即興演奏を計2本やってくれました。テナーの前半は循環呼吸を用いず、フレーズ感のある演奏。生で聴くテナーの音色は柔らかく、ある種ブルージーにすら感じられました。後半は得意の循環呼吸・マルチフォニックスが飛び出し、こちらではダーティーなトーンも。これがまたかっこよかった。最後はソプラノソロで〆。Sightsongさんが「鳥の歌声」と的確にたとえられていますが、どこまでも透き通った天上の音楽のように聴こえ、陶然としてしまいました。完全に心を持っていかれました。

 

 

終演後はミーハー心を発揮して、エヴァンにサインをお願いしました。ものすごく集中した演奏を終えた直後なのに、「(サインを書く前に)ちょっとビール一口飲ませて」「これ君のペン?いいペンだね」なんて冗談めかして応えてくれて感激。

 

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サインをミュージシャンにお願いしたのはほとんど初めてTwitterでは「生まれて初めて」と書きましたが、よく考えたら一度だけオルケスタ・リブレのインストアライブ&サイン会に参加したことが)

 

数年来ブログを読ませていただいていて、先日Twitterで直接知り合った@Sightsongsさんと稲毛でラーメンを食べ、ジャズ談義などしつつ帰宅。いやー、久々に充実した日を過ごしました。

今回のツアーのオーガナイザーやCANDY等の関係者の方々に心から感謝します。こんなライブを日本で、しかも間近で観ることができて本当に良かったです。また別の編成でも観てみたいですし、そう遠くない未来に再来日してくれることを期待しています。

 

 

<参考動画>


Evan Parker - St Michael And All Angels, Chiswick, London, 11 October 2001

 


Evan Parker - Solo Tenor Improvisation at The Kernel Brewery, London

 

 

<お気に入りのエヴァン・パーカー参加作>

家を出るとき、どの盤にサインをもらうか決めかねて、リュックに4枚詰めていきました。結局、上記写真のように『Lines Burnt In Light』にサインしてもらったんですが、そのほかの候補3枚をついでにご紹介。

 

 

Monoceros

Monoceros

 

 比較的初期(1978年)のソプラノソロ。タイトルとシンプルなジャケに惹かれて選びました。

 

 

Rocket Science

Rocket Science

 

 ピーター・エヴァンスサム・プルータクレイグ・テイボーンとのカルテット。このメンバー、編成で面白くならないわけがないと思って買ったら、これが期待通りの傑作。

 

 

Boustrophedon (Ocrd)

Boustrophedon (Ocrd)

 

 以前JOEさんに教えていただいたもの。2004年録音のECM作。エヴァン・パーカー×ロスコ―・ミッチェル×ラージアンサンブルという凄まじい企画で、クレイグ・テイボーンやバリー・ガイポール・リットンも参加。大編成からエヴァンのソプラノが出てくる瞬間、猛烈に興奮します。

 

 

 

 

 

 

2016年3月21日 林栄一&加藤崇之@入谷なってるハウス

もう3日経ってますし、「最高だった」の一言で終わらせても良いのですが、一応簡単に記録を残しておきたくて。

 

 

2016年3月21日(月)林栄一&加藤崇之@入谷なってるハウス

林栄一(As)、加藤崇之(Gt, etc.)

 

 

なってるハウス、行ってきました。いわゆる「中央線ジャズ」界隈で長らく活躍しているお2人、林栄一さんは「ナーダム」、加藤崇之さんは「皇帝」の作曲者としても知られていますし、作曲作品や歌ものをやることも多い方々ですが、この日はガチンコのインプロでした。1stセットは2本、2ndセットは3本(2ndの1本目は、パリで十数年活動しているというアルトサックス奏者の女性が飛び入り参加)、存分に堪能しました。

 

林さんに関してはもはや言うことはありません。林ファンの私は、林栄一のあの音」を聴くだけでうれしくなってしまいます。この日ものっけから循環呼吸やマルチフォニックスといった特殊奏法も織り交ぜつつバシバシとキメまくっていて。2ndセットの2本目、加藤さんに煽られてアツくブロウしたところなんか脳汁出まくりました。林さんのアルトは独特の哀愁感も大きな魅力だと思っているのですが、この日は熱さ溢れるプレイも聴けて大興奮でした。

 


インプロネコ集会vol.21 林栄一+広瀬淳二+斉藤良一+伊藤啓太+井谷享志

ちょうど良い参考動画がないので、適当な林さんのインプロ動画を貼っておきます。

 

 

加藤さんも、何とも正体がつかめないというか、彼岸と此岸を行き来するような演奏で素晴らしかった。エフェクターを巧みにコントロールし、ぐねぐねとしたクソカッコイイフレーズや弦を平手で叩きつけて出した音を引き延ばしたり、ループさせたり。大小様々な金属(缶や灰皿、バケツっぽいもの等、20個くらい)をドラムスティックや金属製の棒で乱打したり。ちょっとAEOCを彷彿とさせるようなところもあって、愉しくも密度の濃い演奏でした。

 

なってるハウスでのソロ。来月地底レコードからガットギターソロのアルバムが出るそうですが、2~3年前にフルデザインから出た『七つの扉』もすごい作品でした。

 

 

古くから共演しているであろう2人、デュオで観るのは初めてでした。ライブ冒頭のMCで、林「このデュオ、初めてだっけ?」、加藤「いや、2~3回やってる」とのことでしたが、ぜひぜひまたやって欲しいです。事前の期待通り、2人の相性はバッチリでしたし、それでいて慣れ合いには陥らない、キレッキレの即興演奏でした。また次回、楽しみにしています。

 

 

映画『ヤクザと憲法』を観る

社会派ドキュメンタリ、かつ一級のエンタメ作品でした。

 

 

予告編の時点で既に面白い。 

 

 

ポレポレ東中野にて、観てきました。東海テレビの取材班が二代目東組二代目清勇会という「ヤクザ」、そして元山口組顧問弁護士の山之内幸夫氏に密着。40分テープ500本にも及ぶという素材を劇場上映用に96分に編集したもの(2015年3月30日に放映されたテレビ版は72分)。

私は大学院生なんですが、一応専攻が憲法学でして…。アメリカ憲法が専門なので、ツイッターのアイコンも「権利章典」(を使ったオーネット・コールマン『Crisis』)から取っていたりします。今年1月の上映開始以来ずっと観たいと思っていて、先日ようやく観に行ったのですが、これがもうめちゃくちゃに面白くて。以下で2つのポイントをあげてご紹介します。

 

 

①警察の権力行使のあり方に対する問題提起

この映画は、暴対法→各地の暴排条例の制定によるヤクザ取り締まり強化が何をもたらしたかということを鮮明に描き出しています。この動きによって、「ヤクザ」は反社会勢力の一員であるという理由で、銀行口座を作れない、子どもを幼稚園に入れられない、引っ越しや保険契約ができないといった「被害を受ける(清勇会・川口会長の言葉)」こととなりました。こう言うと、「そもそもヤクザなんてやってるのが悪い」というもっともらしい正論をぶつけられそうですが、そんな声に対して、この映画の中で川口会長は、「じゃあ誰が受け入れてくれるんですか」と応えています。社会生活を送ることが困難になってヤクザに拾われたような人たちを、さらに社会生活ができないように追い込んで、その先はどうするのかという問題が提起されているように思います。

誤解のないようにあらかじめ断っておくと、私は「ヤクザがいるおかげで治安が安定している」といったロマンティックな「ヤクザ必要悪論」に乗るつもりはありません。覚せい剤の売買やみかじめ料の徴収といった行為それ自体に対しては、規制の必要性も合理性もあるでしょう。

しかし、この映画の中でも出てくるのですが、暴排条例を利用し、保険契約をめぐるトラブルといったヤクザの"本業"と関係ないところで詐欺やら何やら理由を付けてとりあえず引っ張ったり、強引に家宅捜索したりといった権力行使のあり方が許容できるかというと、それは簡単に許容しちゃいかんと思うんですよ。(ちなみに、映画に登場する「ヤクザ」は基本的に東海テレビの取材に対して協力的なんですが、とある理由で家宅捜索に入った警官の取材班に対する態度が横柄というか、非常に「暴力的」に取材を制止していたのが印象的でした。)

これは「やっぱ警察クソだな。Fxxk the Police!!」で終わる話ではなくて、立川テント村事件堀越事件のような警察権力の不当な行使をどのように抑えることができるかという重大な問題を含んでいるのではないでしょうか。「ヤクザ」という分かりやすい「悪」に対しては、強引な手段による規制が簡単に正当化されてしまう危険性がある。こうした暴対法の問題をきちんと位置付けられている憲法学者って、実はあんまりいないんじゃないかと思うのです。 

 

 

何となく、貼っておきます。

 

 

②エンタメ作品としての「強度」

…とまあ、お堅い話はこの辺にして、この映画、エンタメ作品としてもめちゃくちゃに面白いんですよ。実際、私が劇場で観たとき、観客席から何度も笑いが起こっていました。

東海テレビの取材班、結構きわどいとこまでグイグイ質問したりして、観ているこっちがちょっとハラハラしちゃいました。夜中に何やら怪しい取引をしてお金を受け取ったらしき組員に、「今何やってたんですか?」とド直球の質問をしたり、予告編にも出ているところでは、 事務所の組員の生活スペースでキャンプ用品の袋を指さし、取材班「これってマシンガンとかでは…?」、組員「テレビの観すぎとちゃいますか?」なんてやり取りも。また、高校野球観ながら札束数えているヤクザ」とか、「思いっきり選挙協力しているヤクザ」とか、これマジでテレビ放映したの?ってシーンもたくさん。

ネタバレになるので詳細は伏せますが、一番笑ったのは、元山口組顧問の山之内弁護士関連のシーン。顧問弁護料の金額とか色々ぶっちゃけてますし、ベテラン事務員さんが最高にイカしたキャラで必見。思わず吹き出しました。

こうした面白いシーンは、長期間粘り強く、執拗に撮り続けた取材班の努力の結晶であり、それを96分という観やすいサイズにまとめあげたのは見事です。「生のヤクザ」が観たいって野次馬根性だけで観ても面白いので、「社会派なんてクソくらえ。社会の前に我に返れ」な方にもオススメです。4月以降に公開開始する劇場もあるようですが、3月で終わるところも多い(私が観たポレポレ東中野は3月25日まで)ので、ぜひ劇場で。

『ヤクザと憲法』公式HP

 

 

こちらも貼っておきましょう。すっげえ久しぶりに聴いた。 

 

 

2016春 梅津和時・プチ大仕事 100%シャクシャイン

1日経ってしまいましたが、感想をまとめて書いておきたいなと。

 

 

2016年3月2日(水)100%シャクシャイン@新宿ピットイン

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梅津和時(As, Ss)三好功郎(G)今堀恒雄(G)清水一登(P, Key)水野正敏(B)新井田耕造(Ds)ヤヒロトモヒロ(Per) アンコール時飛び入り:?(Per)

 

 

梅津和時さんのバンド、シャクシャインのライブを観てきました。シャクシャインは、1990年のアルバム『キネマ』をきっかけとして結成されたバンドで、90年代は梅津さんのレギュラーバンドとして毎月ピットインに出ていたそうです。「98年に解散」との記述も見かけますが、近年も時々ライブをしているようで、昨年もヒロトモヒロさん以外のメンバーが集まってピットインでやったとのこと。で、今回は結成当時のメンバーが全員参加したので「100%シャクシャイン」というわけ。

セットリストは以下の通り(記憶違い等あるかも)。

 

<1st>

・ヤキトリ

・歌舞音曲

・シーコ・メンデスの歌

シャクシャインの戦い

 

<2nd>

・アブラだアブラ

・タイスキ

・ローズ・デ・サハラ

・ナビゲーター・ブーガルー

 

<アンコール>

・ウェスタン・ピカロ

 

ラテン、アラブ、東南アジア、ウェスタン等がごちゃ混ぜになったスーパー多国籍・無国籍な音楽。今堀・三好ツインギターがバシバシとキメまくり、梅津さんのアルトもキレッキレで、いやーアツかった。ライブ盤『大雑把』は数年前から愛聴していましたが、生で観たらやっぱり興奮しちゃいました。パーカッションも入って結構分厚いサウンドになっているというか、色んな音が洪水状態で押し寄せてくるんですが、曲がしっかりしているし、演奏力も当然高いので、ぐっちゃぐちゃのカオスには陥らなくて(ライブ中のMCで、梅津「相変わらず全体的にゴシャッとしたまとまりのないサウンドで…」三好「え?そんなことないと思うけど」というやり取りをしていたのが印象的でした)。その上で、切れ味鋭い梅津さんのアルトが歌いまくり、踊りまくるんですから、こんなの楽しくないわけがないでしょう。

メンバーそれぞれが素晴らしい演奏を繰り広げていましたが、特に圧倒されたのは清水一登さんのピアノ&キーボード。久々に鍵盤のソロを聴いて鳥肌が立ちました。時に左手はピアノ、右手はキーボードのように使い分けながら、絶妙にズラしたヘンテコなフレーズを凄まじい勢いで弾きまくっていました。曲によって変えるキーボードの音色も面白くて、シャクシャインのサウンド全体の印象を大きく動かしていたと思います。

物販で持っていなかった『Desert in a Hand』(手焼きCD-R版)を買い、今も聴きながらこの記事を書いているんですが、これもまた面白いです。部分的にですが菊地成孔さんのdCprGを連想したり。そういえば、ライブ中には、ソプラノ循環呼吸でどんどん昇り詰める場面でDaniel Zamirを想起させられたりもしていました。シャクシャイン、90年代に活躍したバンドですが、今聴いても色んな意味で面白いと思います。梅津さん、老人になってもシャクシャインをやりたいというようなことをMCでおっしゃってましたので、またライブがあったらぜひ観に行きたいと思っています。

 

 

 

大雑把

大雑把

 

 

Desert in Hand

Desert in Hand

 

 

キネマ

キネマ

 

 

エクレクティシズム
 

 

 

 

佐藤允彦 / Randooga - Select Live Under the Sky '90

Twitterで感想を一言にまとめるだけの方が楽になってきましたが、佐藤允彦さんのことは一度ブログに書いておこうかと。

 

 

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佐藤允彦 Randooga - Select Live Under the Sky '90

佐藤允彦(key, comp, arr), Ray Anderson (tb), Wayne Shorter, 梅津和時, 峰厚介 (sax),  土方隆行 (g), 岡沢章 (b), Alex Acuna (dr), 高田みどり, Nana Vasconcellos (perc)

 

 

昨年の新宿ピットイン50周年フェスでのソロ演奏に圧倒され、「佐藤允彦作品ってちゃんと聴いたことないけど聴いてみたいな」と思ってディスコグラフィを調べてみたんですが、あまりに膨大な量でどこから聴くか決められず…。そこでid:joefreeさんにオススメを教えてもらって何枚か買いまして(Joeさんありがとうございました!)、その中の1枚がこれ。

90年のジャズフェス、ライブ・アンダー・ザ・スカイでの演奏。89年生まれの私には肌感覚が分からないんですが、当時はまだバブってたんでしょうか。Wikipediaの同フェスの項目を見ると、恐ろしいくらいに豪華な出演陣。77年から92年までやっていたそうで、ハンコック、ショーター、マイルスにギルオケ、オーネットやWSQ、サン・ラの名前まで。当然時代を反映してフュージョン系も多数で、チック・コリアクルセイダーズ、ガッド、ブレッカー等々の名前が並んでいます。このランドゥーガにも4人の海外ミュージシャンが参加しており、いずれも大物ですが、何といってもウェイン・ショーターの名前が目を引きます。日本勢も錚々たるメンツ。

 

一部ですが動画が。CDはフルで11分収録されてます。 

 

強靭なリズムセクション、民謡的なモチーフを用いた印象的なリフの上にご覧の豪華な管。ギターやキーボードの音色に「時代を感じるなー」と思うところもありますが、それでもなおカッコイイです。ショーターや梅津和時さんも当然すごいんですが、自由に、悠々と乗りこなす峰厚介さんのテナーが好きすぎる。ナナ・ヴァスコンセロスのボイスが加える謎エキゾ感も面白い。

民謡モチーフを取り入れたジャズって散々やりつくされている感もあって、(この言葉は好きではありませんが)いわゆる「和ジャズ」であるとか、有名どころだと秋吉敏子さん、最近では大友良英さんが盆踊りをやっていたり、板橋文夫オーケストラが民謡ユニット「結」と共演していたり。

 


金子友紀・「結 - yui 」 + 板オーケストラ - 相馬盆唄

昨年ライブで2回観ました。田村夏樹さんや小山彰太さんがいた頃も素晴らしかったですが、今の板橋オケはめちゃくちゃ面白いと思います。ぜひ生で観ることをオススメします。

 

中央線ジャズでも演歌や民謡の香りを漂わせるものは多いですよね。天才アケタの傑作『わっぺ』などなど、例を挙げれば枚挙に暇がありません。そう考えると、近年のエスニックな要素を前面に押し出したジャズのブームもさほど新しい現象ではないような気がしてますが、まあ、その話はまた別の機会に。

何はともあれ、このランドゥーガのライブ盤は、私が佐藤允彦さんに対して事前にもっていたイメージを覆すようなシンプルにカッコイイものでした。というのも、これまであまり佐藤さんの作品を聴いて来なかったのは、「なんか頭良さそうで苦手」という印象a.k.a.偏見があったからで。ソロピアノ作やインプロセッションものを聴くとやはり理知的な印象を受けるんですが、ランドゥーガは頭からっぽで聴いても十分楽しめるもので、佐藤允彦という音楽家の懐は広いんだなと。本当にアホかってほど大量に作品をリリースしていて、もちろん私の好みに合わないものもありそうですが、やはり偏見を排して色々聴いてみた方が人生楽しくなりそうだよなという当たり前のことを再確認しています。

 

 


Peter Brotzmann, Masahiko Satoh & Takeo Moriyama - Yatagarasu

いま現在の私の「好み」にバシッとハマるのは、やはりこういうやーつ。こんなの最高過ぎるでしょう。PNLとのデュオなんかも面白そうだなと思ってます。

 

Twitter始めてみました

記事タイトル通りなんですが、先日惜しくもニアミスしてしまったid:Joeさんに嗾けられ、Twitterアカウントを取得してみました。

 

 

 

↑今後はこんな感じでツイートの貼り付けもできるようになったわけです。

 

 

ただでさえ更新頻度の下がっている当ブログ、「ツイッターやり始めたら更新しなくなりそう」と思ってたんですが、やはりアカウント持ってることのメリットが大きいだろうと判断するに至りました。 

 

 

Twitter開始を後押しした、予想されるメリット≫

 

①ブログで知り合った方と連絡を取りやすい

以前id:yoroszさんとお会いした時は、一時的に当ブログのコメント欄にメアドを載せることで連絡が取れたんですが、おそらくツイッター上でやり取りした方が遥かに楽だったでしょう。ブログのプロフ欄にメアドを公開しようかと思ってた時期もありましたが、今後はツイッター使えば良いってことですね。

 

 

②ネット上での交流・軽い情報の発信が容易に

元々ブログはあまり交流に向いたツールではないと思っていましたが、「バックナンバーがたどりやすい」という理由でブログ形式にこだわっていました。なので、今後も音楽絡みでまとまった字数をかけて書きたいことは、ブログに書いていくつもりです。そして、これまで山ほどあった「ブログに書くほどではないがちょっと思ったこと」は、ツイッターで発信していこうかなと思っています。

 

↑これまでもユニオンのメンバーズシステムについては思うことが色々あったんですが、わざわざブログにまとめるほどのことでもないと思うので…。

 

 

③情報収集能力の向上

私が好んで聴いている音楽の多くは「マイナー」なもので(別にメジャー嫌いってわけでもないんですが)、雑誌等の媒体から情報を集めることはあまりできません。これまではミュージシャンやレーベルのサイト、色んな方のブログ等から情報収集してましたが、Twitterでしか発信されてない情報も多くありそうですよね。多少なりとも視野を広げてくれたら良いなと思っています。

 

 

そんなわけで今日の午後Twitterのアカウントを取得し、試しにちょこちょこイジってみましたが、もちろん使い方とかマナーとか諸々分かってません。ミスやら失礼があってもご容赦を。今後どう活用できるかも分かりませんが、もしお暇でしたらフォローしてくださればうれしいです。

 

 

Codona / Codona 3

論文・研究発表の締め切り地獄からひとまず解放されたので、久々にブログ更新(週2回くらいのペースで更新したいんですが忙しいとなかなか…)。

この1ヵ月くらいまともに音楽を聴けていなかった反動で、昨日は1日ジャズ漬けの幸せな時間を過ごしました。午前中に買い置いていた佐藤允彦作品(Joeさんにオススメしてもらったやつ)をまとめて聴き、午後は行きつけのジャズ喫茶Jazz Nuttyに。Nuttyは毎月「今月のテーマ」を決めていて、この2月は「トロンボーン特集」とのことだったので、家からSamuel Blaser『Solo Bone』を持ち込み、「Mood Indigo」(名演!)などをかけてもらいました。続けてマスターが管楽器無伴奏ソロつながりということでかけてくれたHamiet Bluiett『Birthright』に大いに感動しつつ、夜は入谷なってるハウス林栄一ガトスミーティングのライブ。いやー、最高の1日。

今日取り上げるのは、そんな幸せな日の帰りの電車で聴いて感銘を受けたアルバムです。

 

 

Codona 3

Codona 3

 

Collin Walcott — sitar, tabla, hammered dulcimer, sanza, voice

Don Cherry — trumpet, organ, doussn' gouni, voice

Naná Vasconcelos — percussion, berimbau, voice

 

 

ユニオンでドン・チェリーの名前を見て「安い」という理由のみで購入していたもの。ライブを観に行った日の帰りは音楽を聴かないことが多いんですが、「これならへヴィーじゃなさそう」と思って何気なく聴いてみました。最初にぼーっと数曲聴き流したときは、「ああ、この手のECM流エセ民族音楽か。まあ悪くないけど…」程度の感想。ECMによくあるキレイに整いすぎてるものってあんまり好みではないんですよね。エセ民族音楽なら胡散臭いやつとか適当なやつの方が好きで。

 


Pharoah Sanders Going to Africa

たとえばこういうの。これはもはや「エセ」ですらないかもしれませんが、(良い意味で)アホで楽しくて最高。

 

そんなわけで、本作を聴いて「ドン・チェリーと言えどもECMからリリースするものには"漂白感"が付いちゃうんだなー」とか思ってたんですが、謎のボイスを重ねる5曲目「Trayara Boia」あたりから「あれ、様子がおかしいぞ?」となり、最後の曲「Inner Organs」を聴いてビックリ。9分ちょっとの曲で、ずっとオルガンの持続音が鳴っている上に、途中からタブラも入りつつ、ボイスやらトランペットやらを重ねていく趣向なんですが、終電の中でiPodで聴いていたら軽くトリップしかけました。うわーやばいやばいやばいと思って、音量を上げてリピート。

 


Codona 3 - Inner Organs

 

「内臓」と「オルガン」をかけてるってことですかね。やってることはシンプルですがカッコイイ。正直他の曲はそこまででもないのですが、これだけ妙にツボにハマってしまいました。

このCodonaというグループ、気になって少し検索してみたら、Wikipedia「free jazz and world fusion group」とありました。いわゆる「フリージャズ」の要素はほとんどないような気がしますが、確かにこれは「ワールド・ミュージック」ではなく「ワールド・フュージョン」。色々ごちゃ混ぜにした結果、見事にヘンなものが生まれてますね。ECMから計3枚出しているようで、本作の他にも2枚あるとのことなので、ちょっと聴いてみたいと思ってます。

 

 

Codona Trilogy (Spkg)

Codona Trilogy (Spkg)

 

2009年に本作を含む3枚をまとめてリイシューしたもののようです。事前に知ってたらこの3枚セットの方を買いたかったんですが…。