たぶん思ったことあんまりまちがってない

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セロニアス・モンクのいた風景

うーむ、くやしいけど素晴らしい本。

 

セロニアス・モンクのいた風景

セロニアス・モンクのいた風景

 

 

村上春樹という人の文章は、いちいち鼻につくように感じてかなり苦手なのですが、モンクの本ならば読まないわけにはいかず…。これが実にイイ本でした。村上春樹が書いているのは最初の短いエッセイ(『ポートレイト・イン・ジャズ』所収)とレコード案内のみで、大部分はナット・ヘントフオーリン・キープニューズらの文章を村上春樹が編訳したものです。

モンクと同じ時代を生きた批評家やレーベルオーナー、ミュージシャンらによる文章は、それぞれモンクに対する尊敬と愛で満ちています。モンクについての歴史的証言・伝説・神話の数々は、モンクファンなら必読でしょう。もちろん、そんなものはまったく知らないとしても、モンクの音楽は素晴らしいのですが。

 

 


Thelonious Monk Dancing. - YouTube

モンクの”ダンス”についても随所で語られています。

 

 

どの章も読みごたえ十分なのですが、とりわけ素晴らしいのがスティーブ・レイシーの文章。紹介されているモンクの金言の数々(「ただメロディーを演奏すればいいんだ!」など)は必読です。これをチョイスした村上春樹は偉い!

 

 


Steve Lacy & Gil Evans - Bemsha Swing - YouTube

しかし、あれだけ崇拝しているモンクと共演していたレイシーというのも考えてみればすごい人です。

 

 

村上春樹は好きだけど、ジャズは全然知らなくて…」という人が読んでも分からない部分が多いかもしれませんが、レコードガイドも付いているので、モンクを聴くきっかけにはなるかもしれません。おススメです。

 

 

<関連音源>

Thelonious Himself

Thelonious Himself

 

 モンクで1枚挙げろと言われれば、迷わずこれを挙げます。モンクに関しては管が入っているものよりもソロかトリオの方が好きですね。1曲目の「エイプリル・イン・パリ」からもうちょっと泣きそうになります。

 

Plays Duke Ellington

Plays Duke Ellington

 

モンクのエリントン集。 ジャズ聴き始めの頃に買って、あまり強い印象は残っていなかったのですが、最近CDラックから引っ張り出してきて聴いてみたら唖然としました。めちゃくちゃ良いじゃないですか、これ。